特別縁故者に関する記事
例えば、Ⅰ 一人っ子で生涯結婚をしなかった方が亡くなり、既にご両親も他界しているようなケース、Ⅱ 結婚はしたが子宝に恵まれず、既に配偶者・両親ともに他界しているケースのように、法定相続人のない方が亡くなり、相当な財産が残されていたよう場合、この財産はどのように処理されていくのでしょうか。
相続財産として、自宅の土地・建物、多額の預貯金、株券等をお持ちの方(本人)が亡くなり、生前本人の身の回りのお世話をされていた方(相談者)からお困りの相談を受けることがあります。
相談を受けた弁護士は、本人が作成した遺言書がないかを聴取し、必要な調査を行います(公証役場への公正証書遺言作成の有無の問い合わせ等)。
遺言書がないようであれば、以下の経過をたどることになります。
- 人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して相続財産管理人の選任申立を行います。通常、相続財産管理人には弁護士が選任されます。
- 選任された相続財産管理人は、本人の財産目録を作成し、裁判所への報告、裁判所への許可を受けながら、順次、財産の現金化を進めていきます。また、本人の債務があれば、弁済します。
- 相続財産管理人は、法律で定められた手続きに従い、相続人捜索の手続を進め、相続人が見つかった場合には、相続人に相続財産を引き継ぎます。
- 相続人が見つからなかった場合には相続人不存在が確定します。相続財産管理人は、②の弁済を行っても相続財産が残っている場合には、特別縁故者(相談者)からの相続財産分与の申立がない限り、相続財産を国庫に帰属させることになります。
以上のとおりであり、相談者が相続財産管理人の選任申立を行わなければ、本人の財産を処分することはできません。また、これに加えて特別縁故者に対する相続財産分与の申立を行わない限り財産の獲得はできず、本人の財産は国庫に帰属することになります。
当事務所の弁護士は、家庭裁判所よりこれまで多くの相続財産管理人に選任されています。事案に即したアドバイスが可能です。お困りの際にはお気軽にご相談ください。