遺留分算定のための基礎財産の評価、具体的には過去の贈与の評価は、相続開始時を基準としています。
なぜなら、遺留分権が具体的に発生するのは相続開始時であるからです。また、相続開始時を基準とすることにより、権利関係が早期に安定することもその理由とされています。
なお、目的物が相続開始後に増減している場合(例えば、相続開始後に相続財産中の建物をリフォームすることにより資産価値が上がった場合)にも、相続開始時を基準として、相続開始時の状態(元の状態)で評価することになります。
贈与財産の評価については、相続開始時を基準に価額評価をし、贈与された金銭については、相続時の貨幣価値に換算します(最判昭51.3.18)。